地元の手作り市に毎月のように出店していると、お客さんへの説明を聞いていたお隣の木工屋さんが、
「これって木にも押せるの?それならウチのまな板やプランターに自分の名前のはんこを押したいからはんこを作ってください。」
と、ありがたいお話をいただきました。
が、ちょっと待てよ…。まな板に!?
確かに木材には押せますが、まな板って毎日水洗いするよね?しかも食品を切るところ。それって普通のインクでも大丈夫なの?
インクメーカーのカタログを見ると、やはり。
口に入るものには使える保証まではありません。
インクに詳しい方に、食品衛生法適合のニスがあるから、それを使ってみたらどうかと教えていただいて、ネットで調べて近所のホームセンターに探しに行きました。
あった!
でも、ニスで消しゴムハンコを押すって大丈夫なの?
よく考えると、別にスタンプ用のインクじゃなくても、ペンで印面を塗ってもはんことして使えるし、これがペンキであっても、使った後にすぐ洗って手入れするなら使えますよね。特に自分で作る消しゴムハンコなら、ダメになったらまた彫ればいい(笑)
作り方は[消しゴムはんこの彫り方]に詳しく書いていますので、ぜひチャレンジしてみてください。
ニスをインク代わりに消しゴムハンコにつけるには…。思いついたのがティッシュペーパー。ポリ袋の上に、ティッシュペーパーを折って上からニスをポタポタとたらしてスタンプパッドの代わりにしてみました。その上に消しゴムはんこの印面をポンポンとつけてから、木材へポン。
ニスの説明に、薄い時には2度塗り、3度塗りするといいと書かれていたので、2度押しもしてみました。
写真左が2度押ししたもの、右側が1度押しただけのもの。やっぱり濃さが違います。
重ねて2度押しすると、そのままではどうしてもずれてしまいます。押す前に、はんこの左と下側に木枠などを固定してから2度、3度と重ねて押すとずれずに濃く押せそうです。
うむ。これだったらまな板にでも使えます。
押した後にすぐに水洗いしたので、印面もかたまることもなく無事でした。
では木製のプランターは?
プランターは植物と一緒なので雨に濡れるのは当たり前。水に濡れても平気じゃないと…。StazOn midiインク、artnicインク、VersaFineインクで実験してみました。
乾燥させる期間で何か違いがあるかもしれないと思い、押してから置く期間も変えてみました。押した後最長12日、最短で2日間乾かしています。
余談ですが、私がいつも持ち手の台木に押す時に使うインクは、主にartnic。メーカーのカタログには木材には使えないとなっていますが、実際に使えているので私の中では勝手に使えるインク扱いにしています。むしろ布用のインクVersaCraftの方がカタログでは木材に使えると書かれているのですが、木に押すとartnicよりもにじんでしまうことが多いのです。
最近は、インクの色がしっかりつくところが好きでよく使うVersaFineシリーズ。このインクも木に押すとにじんでしまうことが押してみて分かりました。
上番上がartnic、真ん中がStaz On midi、一番下がVersaFineで押しました。VersaFineだけがにじんで輪郭がぼやけてしまいました。あらら。
それでは、木に押したはんこの水濡れ実験スタート!
【 実験1 】 水道水をかける
押した後最短2日、最長12日間乾燥させた木材に水道水をかけて濡らします。
Staz On midiで押したお魚はんこは、水をかけても、特ににじむことはありませんでした。
artnicとVersaFineの方はどうでしょう。
こちらも水をかける前後で変化はありませんでした。
【 実験2 】水道水につけ置き
水の中に入れて待つこと5分。
引き上げて見ると。
5分濡れっぱなしでも変わりません。
【 実験3 】洗剤で洗ってみる
次は、洗剤で洗ってみましょう。台所用の洗剤をつけてゴシゴシ。
そして水洗いしてタオルで拭いたら。
あれ、水洗いする前とそんなに変わってないような気がしませんか?
【 結果 】
artnicで押しても、VersaFineで押しても、Staz On midiで押しても、しっかり乾燥していれば水に濡れても台所洗剤で洗っても色落ちはしませんでした。これなら木製プランターに押しても使えます。
artnicインクは水性インクなのですが、しっかり乾燥すれば水に濡れても落ちないのですね。しかもメーカーカタログでは用途に『普通紙』としか書かれていませんが…。
同じ木材でもコーティングされていると、StazOnなど限られたインクしか使えませんが、未塗装の木ならインクも色々使えると思います。無地の木の棚や小物入れ等にDIY的にハンコを押して飾っても楽しそうですよね~。まずは本番で押す前に、見えない部分等に小さく試し押しをした上で、自己責任でお楽しみください。
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