なんだかムラがいっぱいじゃない?
これを押したインクは、紙にも布にも押せるバーサクラフトインク。インクがハンコにたっぷりつきやすくて使いやすいので、紙にも気にせずに使っていたのですけど…。
「便箋にうっすらとハンコを押して文字の下に紅葉が写っているとオシャレよね」
と思って、インクをつけた直後は外枠に押し、そのままインクをつけ直ししないで2回目、3回目と押したのが便箋の線が引かれた部分です。確かに薄くついているのだけど、濃い部分があったり薄いところがあったりムラが目立ちます。
インクの種類は私が持っているだけでも6種類あるのだけど、ひょっとして、種類の違いはこういった細かいところに影響するのかな?
ハンコ用のインクって、なんでこんなに種類がたくさんあるの?と思うぐらいたくさんあるんですよ。しかも使い分け方があまりよくわからない!最初にインクを買いに行った時には、どれを買っていいものやら全くわからなくて、そのまま諦めて帰ってしまったぐらいです(笑)
メーカーさんのカタログを見たり、知っている人に聞いたりした今でも、紙に向くインクはアートニック、布に押すならバーサクラフト、ほぼ万能で陶器や皮やプラスチック、オールマイティに使いたいならステイズオンインク、という分け方で後のはよくわかってないぐらいですから。
「わからないなら実際に試してみよう!」
ということで、インク全種類の赤色(赤がなければピンク色)のインクを使って、同じ条件で便箋に押してみました。
さて、便箋に薄付きで押すにはどのインクが一番キレイに押せるのでしょう?
左から、ステイズオンミディ、メメント、バーサマジック、ブリリアンス、バーサクラフト、アートニックの6種類。すべてツキネコ製のインクです。
このうちの2種類はインクを見ただけでも明らかに違います。何が違うのかというと…。
写真を見れば分かりやすいかな?
左奥の2種類は、側面がスポンジっぽくないのです。
一番左のステイズオンミディとその右隣、メメントはインクの種類が「染料系インク」といって、水や油なんかの溶剤に溶けています。なのでこのインクを使って紙に押すと紙にインクが染み込みます。
その他の4種類は「顔料系インク」です。顔料系インクは溶剤に溶けずに粒子になっています。紙に押してもにじみにくいインクなのです。
■6種類のインク色のつき方比較
使った便箋は、私が大好きな文具メーカー、ミドリカンパニーの一筆箋です。製品の裏面に書かれていますが、紙の種類でペンの適正というのもあるのですね。これもインクとの相性です。
消しゴムハンコは次のようにして押していきました。
インクをつけた直後は濃いので、文字を書く欄外へ押す。次にインクをつけなおしせず2回目を便箋の本文を書く場所へ押します。こうすると少し薄めにインクがついていい感じ。3回押すとかなり薄くなってしまって限界です。2、3回押したらインクをつけなおし、また同じように繰り返して押していきます。
キレイに押せる重ね押しの方法は、『チビ消しゴムで作った簡単ハンコで豪華便箋を作ろう! (重ね押し)』 の後半に詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。
それでは、実際にそれぞれのインクで薄めに押すとどうなるかを1種類づつ見ていきます!
●ステイズオンミディ
このインクのイメージは、私の中ではほぼオールマイティー!陶器でも革でもプラスチックでも布でも、もちろん紙にも使えるインクです。ただ、ツルツルすぎる袋とかクリアファイルなんかはよほどしっかり乾かないとすぐ落ちるし、こするとインクが剥がれてしまったりもします。
このインク、赤色が無いので代わりにピンク色を使いました。押してみての感想は、やはり染料系のインク。紙には染み込んでしまうので、インクを付けた直後に押した右上の紅葉なんかは少しぼやけてしまっています。
意外だったのは2回目3回目に押した時。少しムラはあるけど、思ったほど悪くはありませんでした。
●メメント
こちらもステイズオンミディと同じく染料系のインク。やはりインクをつけた直後はにじんで輪郭がぼやけてしまっています。さらに、2回目に押した紅葉も白いムラがたくさん入っています。
うーん、このインクが一番ムラが酷いかな。
バーサマジックは薄づきのインクなのです。そんなこととはつゆ知らず、以前は頑張ってインクをつけて、濃くならないのはなぜ?と不思議に思っていた私。今思うと笑ってしまいます。
写真右上の紅葉がまさにそうで、しっかりインクをつけてもこんな薄い感じになります。今回のように、文字の裏側に透けるように押すにはピッタリなインクです。このシリーズはインクの色合いも落ち着いていて、はかなげな感じが秋っぽくて素敵です。
●ブリリアンス
ブリリアンスは私が一番好きなインクです。特に、押すとキラキラ輝きがあるパールインクがお気に入り。インクがたっぷりつきやすくて使いやすい。
今回使ったインクもキラキラなインクなのですが、薄く押すとあまりキラキラ感もなく、ちょっぴり残念。でも薄くてもわりとキレイに表情が出ています。
●バーサクラフト
バーサクラフトは布に押すには一番いいインクです。このインクもどちらかというと、インクがたっぷりつくタイプ。色の種類が多いので、インクがしっかりついてほしい時には重宝します。私は、次に出てくるアートニックよりもよく使っています。
このブログの一番最初に載せた写真は、このバーサクラフトを使って押したもの。紙にもよく使っていたので、薄く押した時にムラが多く出るというのには驚きました。
こちらの写真では最初ほどムラはひどくはないですね。それでもやはり、キメが荒いというか、繊細さには欠けるかな。意外でした。
●アートニック
最後に、普通紙専用インク、アートニック。色の種類が98色もあって色選びに嬉しい迷いが出るインクです。バーサクラフトに比べると薄づき。なので、アートニックよりもバーサクラフトを使うことが多かったのですが…。
さすが普通紙向けのインク!今回の比較では発色のよさもキメの細かさも揃って一番だと思います。インクをつけてから3回押してもホントキレイに薄づきになっていい感じです。
という訳で、便箋に薄く押すというテーマで一番綺麗に押せたと感じたのは、アートニックです。
最後に、アートニックで2色押ししたもみじハンコの便箋を作ってみました。
薄く重ね合わせた感じもいいですね~。これからは、紙に押す時、特に薄く押したい時にはアートニックのインクを使おうと思いました。
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